メメント・モリ

メメント・モリ

メメント・モリ

連日のように報道される殺人や戦争のニュースを観ていると、世の中では、「生」と「死」の価値観が揺らいでいるような気がしてならない。

それらは極めて形而上学的で、時間や空間の感性形式をとることなく理性的思惟の中に存在している。

それゆえに、あくまでも持論だが、当事者によってはそれらはあたかも仮想現実として映ることもあるだろう。

だが、この本では、そんな仮想現実が「現実」として巧みに描写されている。この本に載っている写真は、無論現実なのだ。

おそらくどんな当事者であれ現実に回帰するきっかけを得られると思う。

この本を読めば、僕たちは「生きている」のか、あるいは「生かされている」のかを考えさせられる。

この本にあるような現実を少しでも多くの人が知り、今自分たちにある命を大切にして生きなければいけないと感じる。

読み進めてゆくうちに、「死を想え」という言葉の意味がぼんやりとわかってくると思います。